プロローグ

2/15
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
ふと、右後ろの席のウィンを見てみる。 「ぐぅ・・・・」 寝てやがる。 さて、暇なので前の席の赤毛女を突いてみよう。 そーれ、つんつん 「ひょうわあ!!」 予想外の反応に、俺は驚いた。 クラスの全員が彼女を見て驚いている。 「あー・・・何かね?」 いつの間に授業が始まっていたのか、数学教師が彼女を怪訝そうに見る。 「あ、な、なんでもありません・・・」 恥ずかしそうにそう告げると、こちらを振り向いてボソボソと話しかけてきた。 (なにすんのよ!!) 赤毛ショートの女が控えめにこっちを睨んできた。 彼女は、我がクラスの人気者レッドプリンセスことイフリータ(炎の精霊イフリート族の女性)の 《陽野 恵美華》 (ひの えみか) 昔、ウィンと根も葉もない噂がたち、鎮めるのに協力した事があって仲良くなった。 (おい、こら!! 無視するな!眉毛燃やすぞ!!) (ひー、勘弁して! まさか悲鳴を上げるとは思わなかったんだ) と、まあ中身はこんな感じだ・・・ なんでプリンセス? (で?) (ん?) (はあ・・・、何か用があったんじゃないの?) (ああ、ブラが透けてたのでつい・・・) ボンッ 「あぢゃあああ!!」 今度はこっちに注目が集まった。 「こら!遊んでるんじゃない!」 「す、すいません・・・」 (ふふん!おでこの焼き加減はレアにしておいたわ 眉毛は無事よ) (ヒリヒリするんだが・・・) ピンッ ぺタッ 俺のおでこに何かが張り付いた。 (いちおう冷やしときなさい 跡が残ったらブサイクになるから) 剥がしてみると、少し凍ったハンカチだった。 冷凍魔法で凍らしたんだろう。 (へーい) そのままデコに貼り付けて授業を受ける。 しかし、相変わらず見事な魔術だ。 炎系の魔術だけじゃなく、何でもそつなくこなせるからいいよなあ。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!