プロローグ

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彼女やウィンように、この学園にはありとあらゆる種族が通っている。 はるか昔、人類がまだ剣、弓、槍などの武器で戦っていた時代に、幻想世界と繋がる扉が開いたそうだ。 扉は双方の技術共有によって完全な道になり、今では幻想界、妖精界、現世界、魔界っと4つの世界が交流を深めている。 しかし、全ての世界が友好的な物ばかりではなかったらしく、なんどか戦争が勃発した。 現在では全世界が平和協定を結び、落ち着いた世界が作られている。 そして、異文化同士の争いを避ける為、あらゆる世界の種族を集めて一緒に学ばせて友好関係を築きあげる事を目的として作られたのがこの学園 テアトロ学園である。 あらゆる種族から支援を受けて設立された学園なので、至れり尽くせりの設備である。 例えば、水の精霊が疲れた時などにくつろげる聖水の湧き出る森や、闇の力を強く放つ木々の生えた森、さらには炎の精霊の為の火山(本気で噴火したりしないが…)などがある。 もっと要望があれば施設や設備を増やすらしい。 なんとも羽振りのいい学園である。 「あー、と言うわけで昼休みになった分けだが」 ウィンが突然話し掛けてきた。 「なんだその説明じみたセリフは…」 「さっさと飯行こうぜ飯!陽野も来るよな?」 と、前の席に声を掛けた。 「ええ」 陽野も、俺達の後に続いた。 3人で教室を出て廊下を歩いていると、 「あ、先輩!」 後ろから声を掛けられたので振り返る。 眼鏡の後輩が手を振っていた。 「お、ロエン」 《ロエン・ロアー・ゲオルド》 バンパイア族で、凄まじい魔力を扱う事が出来る種族であるが、身体は小さく整った顔のため女性に可愛い!と大人気の眼鏡少年である。 眼鏡はファッションで掛けているだけだそうだ。
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