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テーブルに置いてあるメニュー用の液晶タッチパネルを指で操作しながら考える。
各テーブルで注文すると、それがメイドっぽい衣装のウエイトレスによって運ばれてくる仕組みだ。
ウエイトレスは、そのテーブルの男女の比率で何かが決まるらしい。
何かって何でしょね。
ガシャーン
「ん?」
「なにしてんだよ!」
上級生らしき男がポニーテールのウエイトレスを怒鳴り散らしている。
「お前、この俺に火傷させる気か!?」
「い、いえ、でもお客様が自分で・・・」
「なに?この俺が自分でコーヒーかけたっていうのかコラ!!」
見ていられないな
俺は、止めようと腰を上げたのだが・・・
「はいはいはーい、ストップストップ」
俺よりも早く、ウィンが間に入っていた。
いつの間に・・・
「上級生がこういう場所で、ぎゃーぎゃー言ってるのは恥ずかしいですよ」
「ああ?なんだお前は?
コイツのお友達か?」
「それはこの件に関係ないですよ」
俺が割ってはいる。
「何があったんですか先輩?」
「あ?こいつが俺の手にコーヒーを掛けたんだ」
ふむ・・・
身体で彼の視界から外れるようにして、ウエイトレスにも聞いてみる。
「えーと、どうしたんだい?」
「え、ええと、お客様にコーヒーをお出ししたんですが、テーブルに置いたさいに勢いよくカップを掴まれたために、中身が撥ねちゃったんです」
ふむ、この店の従業員は良く出来た者ばかりだと定評だからウソではないだろうな
「コラ!俺にお詫びも無いのか?」
「あー、先輩落ち着いて」
背を向けている俺との間に入って、立ち上がろうとした先輩をウィンが肩を押さえて椅子に座らせた。
(いい加減にしないとブチ殺しますよ?)
ぎりぎりぎりぎり
(な、お、お前もしかして2年の龍神か!?)
(さあ?ご想像にお任せしますよ)
何かウィンがボソボソやってるが、気にしないようにしよう。
「えー、先輩。
彼女も怒ってないので今のうちに去った方がいいのでは?」
「つっ・・・・ま、まあ、俺も上級生だしな・・・
こ、今回は許してやるから、さっさと仕事に戻れよ」
「だそうですよ」
ウエイトレスに振り返って伝える。
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