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「え?・・・あ、はい・・・じゃ、じゃあ仕事あるんで失礼します。
申し訳ありませんでした。」
彼女は最後に先輩の方に頭を下げて去っていった。
「さて、先輩には俺の御絞りを差し上げますよ」
ウィンはそう言って自分の御絞りをさしだす。
持って来てたのか・・・
こいつ全部見てたな・・・
「お、おお、わ、悪いな・・・」
先輩は引きつった笑顔をしながら受け取った。
「さて、席に戻ろうぜ相棒」
ウィンは上機嫌に席に戻って行く。
(ちっ・・・いい気になるなよ)
席に戻ろうとしたら何か聞こえたが、聞こえなかった事にしておこう。
「おつかれさま」
陽野が澄ました顔でそんな事を言ってきた。
「お、おつかれさまです」
ロエンも陽野に続く
「お前ら見てるだけって冷たくないか?」
ウィンがメニューを見ながら言う。
「何言ってるの、アレはナイトのお仕事でしょ。私はプリンセスだし見守ってるのよ」
「あ、僕は魔術師なんで後方支援が役割ですから」
なんじゃそりゃ
「さ、そんな事よりさっさと注文しちゃいましょ」
陽野がピッピとメニュー表を押していく
俺もさっさと注文してしまおう
えーと、オムライスセットにしておこう
ピッポ
「はーい、お待たせしました~♪」
はや!もう来た。
食事を運んで来たのは、ツインテールで黒髪のウエイトレスだった。
「見てましたよーさすがレッドの方々ですね」
食事をテーブルに置いたウエイトレスがそんな事を言った。
レッド?
皆が首を傾げていると、
「え?皆さんレッドって言われてますけど・・・知りませんか?」
「へえ、そんな名前が付いてんだ」
ウィンがチャーハンを食べながら言った。
ちゃんと頂きますって言え!
「ま、まあ、それでですね・・・出来ればちゃんと御礼がしたいってユミちゃんが・・・あ、さっきのポニーの子なんですけど・・・どうでしょうか?」
俺とウィンは顔を見合す。
「いいわよ」
うおい!勝手に陽野が返事した。
「べつにお礼ぐらいいいんじゃない?えーと・・・」
陽野が名前を探るようにウエイトレスの子を見る。
「あ、申し送れました。
私は《二ノ宮 愛奈》(にのみや あいな)ともうします。」
ツインテールのウエイトレス
愛奈は敬礼しながら自己紹介した。
なんだこの子
「で、えーと・・・ユミなんですけど・・・」
「いいわよ、連れて来なさい」
「は、はい!では」
だからなんで陽野が返事するんだ!
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