序章

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『ギンく~ん!遊ぼー!』 『お~う!今行く!』 小5の夏休み直前… あの頃の俺は活発っつうか元気っつうか… ハッキリ言ってがき大将に近い感じだった。 毎日のように遊び歩き、夕方遅くに帰ってきてお袋に叱られ…親父と弟が俺を庇う。 そんな毎日を送っていた…。 銀泉『お袋!俺、カズ君と遊び行ってくる!』 ドタドタと階段を降りて、台所に顔を出して言った。 母『ちょっと志朗!お母さんをお袋って…あんた一体何歳よ!?』 銀泉『あー…。11歳!ピッチピチやぞ?少なくともお袋よりはな!(笑)』 母『志朗っ!!!(怒)』 銀泉『わぁー!いってきまっす!!』 半袖短パン姿でドタドタと家を飛び出す俺。 若かったな…(笑) 母『ちょっと待ちなさい志朗!!』 父『まぁまぁ早紀。志朗はまだまだ子供だよ。好きにさせておけよ。』 母『アナタがそうやって甘やかすから聞かん坊になっちゃったじゃないの!弟の結紀は大人しいのに…まったく誰に似たんだか…。』 父『どう考えても早紀似でしょ。すぐ癇癪起こすところがそっくりだよ。』 母『アナタ!』 父『まぁそういうのも引っくるめて…僕は君が好きだからさ…。君に似た志朗も…可愛くてしょうがないからさ…。つい優しくしちゃうんだよ。』 母『…いい歳して恥ずかしいこと言っちゃって…。』 父『いい歳って…僕はまだ34歳だ!』 母『オッサンっていう歳よ。あーぁ…私もオバサンかぁ…。若い頃が懐かしいわ…。』 父『オバサンって…認めちゃうのかよ…。しかも台詞までババくさい(笑)』 母『うるっさいわね!!』 こん時も親父とお袋は仲が良かった。 さすが熱愛結婚した夫婦だ…。 乱暴で聞かん坊な俺は母似。 おっとりして温厚な弟は父似。 なんだかおかしな毎日だった。
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