72人が本棚に入れています
本棚に追加
銀泉『オッス!カズ君!待ったか!?』
カズ『全然♪』
ショートヘアーで結構綺麗な顔をしてる少年。
コイツは雨竜 一道。
通称カズ。
俺の生涯を掛けての親友だ。
幼なじみでもある俺達は毎日遊び回って馬鹿なことばっかりやってた。
銀泉『今日どこ行く?また空き家のガラス割りに行くか?』
カズ『ダメだって!あそこは警察が巡回してるから!』
銀泉『あ、そう。そんじゃ河原で野球やるか。メンバー集めOK?』
カズ『わかった!メンバー集めてくる!』
銀泉『頼んだぜ!カズ君!』
カズは俺に手を振ると、仲間集めに走って行った。
俺は河原に向かって歩き始めた。
すると前方の曲がり角から本を一冊抱えた少年がやって来た。
銀泉『あ!ユウ!』
結紀『お兄ちゃん!』
銀泉 結紀
三歳年が離れた俺の実弟。
趣味が読書や料理、テレビゲームというインドアで…温厚で優しい性格だ。
乱暴な俺とは真逆だ。
顔立ちだって日に焼けた野生感漂うギラギラした俺に対して、食パンみたいな白くて柔らかい肌をしていてちっこい人形みたいな可愛い顔をしてる。
どこまでも似てない俺達だが、唯一似てるのは髪の色。
栗色がかった茶髪だ。
残念ながら俺は生まれながらは茶髪だ。
銀髪に染めるのは高校に入ってから。
銀泉『お前どこ行ってたんだ?』
結紀『図書館に行ってた。読みたい本があったからさ。』
銀泉『ほ~。どんな本?』
俺はユウから本を受け取り、パラパラとめくった。
小2が読めんのか!?っていうくらい字が細かい本だった。
勉強なんか真面目にやってなかった俺には、読むのもウンザリする代物だ。
銀泉『…うわぁ~…。おん前よくこんな細けー字読めるな…。小学二年だろ…まだ。』
結紀『エヘヘ…僕、本好きだから♪』
笑顔をこぼして言う結紀。
銀泉『にゃるほどな!…あ。これから河原で野球やんだけどさ。来るか?』
結紀『うん!行く行く!』
銀泉『よし決定!ついて来いよ!』
俺は弟の手を引いて走り出した。
最初のコメントを投稿しよう!