君へ

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何を残そうか考えたよ 父さんがお前と一緒に居れた時間は 誰よりも すくなかったかもしれないな まず最初に、お前が大人になった時の事を考えたよ。 きっと母さんに似て すごく、すごく綺麗に なってるんだろうな。 それでどんどん歳を 重ねるごとにおしゃれになって 女の子になって いずれ父さんと母さん みたいに、ひとりの人に 恋をして それで一緒になるんだろうね 父さんもお前の幸せそうに 笑う顔が見たいな。 きっと誰よりも お前の笑顔は綺麗だよ あ、もちろん母さんの笑顔も 負けないけどな。 次に考えたのは お前が生まれた時の事だ 父さん、お前が生まれるときすごくすごく 嬉しかったんだぞ。 仕事場から急いで病院に むかって、階段も三段飛ばしで上ったくらいな お前が母さんの腕の中で 静かにねむってる顔を見て 父さんたくさんキスしちゃったよ。 愛おしくて 毎日毎日たくさん 話しかけて お前が初めて 笑った日には、沢山おもちゃ 買ったなぁ… 今ではすっかり おしゃまさんになって 少し言葉も話せるように なったよな。 『ぱぱ』 って、呼んでくれたのが うれしくて、何回も 父さんの事誰か聞いたの 覚えてるか? この手紙を読めるように なるころには、もうお姉さん になってるだろうな… 出来れば父さん お前がもっと沢山お話し 出来るようになるまで 一緒に居たかったな… 一緒に公園も行きたかったな… その内お風呂も一緒はいったりして、水鉄砲したり 花火を見ながらスイカを 食べたり、大きくなったお前と 親子らしい喧嘩もしたかったな… ごめんな、父さんもう お前と一緒に居れないんだ もう手も動かなくなっきてる でも父さんは、お前に何を 残してやれるか、一生懸命 考えたんだ そして父さんは、未来のお前へ手紙を書く事にしたよ。 寂しくて泣いてないか? 母さんは お前を愛してくれているか? 父さんはお前のそばにちゃんと居るからな。 毎日毎日、お前が幸せで居れるようにお祈りしてるからな。 お前の事だれよりも 愛してるからな。 困ったことがあったら すぐお母さんに言うんだぞ きっとお母さんは たすけてくれるからな じゃあ、父さんは寝るよ おやすみ、 お誕生日おめでとう 幸せな女の子になれよ。 1995.10.27
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