Ⅰ:始まり

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でも、俺の足は勝手に前へと進んでいく。   もう30分は歩いたかもしれない。   とりあえず、ずいぶん奥まで来たのは分かる。   所々曲がったような気もするけど、ずっと真っ直ぐだったような…     …つまりは迷ったんだけど。   俺の足は勝手に進むし、これといって不安もないから、別にいいかとも思う。     ただ、そろそろ休憩はしたいかなぁ…   登り30分はサスガに辛いし…     …しかし綺麗な森だよなぁ…   ここまで来ると人の入った気配もないし。   軽くかかったモヤが視界を淡くするので、神秘的な雰囲気はさらに増している。   「…ホントに卵とかあんのかな」     何かワクワクしてきて、思わず呟いた。     「…と」   イキナリ視界が開けた。   そこだけ、木があまり生えていない。     大きな家でいう、広間みたいなカンジ。   周りにある木から落ちてくる陽の光が、神秘的な雰囲気をいっそう引き立てていた。     目の前、中心よりも少し奥の方には、カナリ大きな木が立っていた。   そして、その木には
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