自堕落な奴

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さて、そんな自堕落な私は今、ニートの出没する野外ポイントNo.1の場所にいる。そう。公園だ。 ああ……世間が仕事だ何だと、一心不乱に働いている最中。私は公園のベンチで缶コーヒー片手に暇を持て余している……最高に愉快な気分だ。 とはいえ、さっき購入した缶コーヒーは開封してから二、三分で空になり。今ではすっかりリサイクルダストに成り変わっている。……ゴミ箱に捨てるのが面倒くさい。実に、面倒くさい。 はあ、これではさっきまでの愉快な気分が台無しだ。 そこで私は考えた。このリサイクルダストを誰か親切な他人に捨ててもらおうと。つまりは、座っていたベンチに置き去りにしたわけだが。細かい事は今更言いっこ無しでお願いしたい。 「さて……」 そう呟き、私がベンチを立ち、その場から離れようとすると。ふと、私の背中に声を掛ける奴がいたのだ。
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