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この不満を兄にぶつけた所
「難しく考えるな」
と言われた…
わかんないから聞いてるんじゃん…
「……ハァ」
お兄ちゃんは良いよなぁ…
成績優秀だし、ピアノもバイオリンも弾けるし…
それなのに私は成績最悪だし、お兄ちゃんみたく楽器も上手く弾けないし…
「どうしたの?莉帆?」
「ゆりりん…」
「そのあだ名やめぃ、栄養ドリンクの原料かあたしゃ」
「べつに良いんじゃね?お前栄養ドリンクっぽいか…………がっ!?」
由里の彼氏の和紀君が見事な由里のパンチが顔面に当たった
「フッ……今日はいつにもまして…痛いな」
「黙れ!かき ずづき!」
「それで呼ぶな」
かき ずづき
と言うのは和紀君の名前が
杜鬼 和紀
だから…
「良いなぁ由里達は…」
不意に呟いた言葉は二人には聞こえていなかった…
なんかんやで一日が終わり、帰り道を歩いていた
後ろからお兄ちゃんの声が聞こえた
「莉帆~!」
「お兄ちゃん!」
「どうだ?詞のほうは」
「え、うん…これ、授業中書いたんだけど…」
と、私は鞄からノートを差し出した
「ん~?」
パラパラとページをめくり詞を読む
これが私が書いた歌詞…
君ノ隣…
君は今どんな顔してる?
君は今なにを思ってる?
僕は君の隣で見守る事しか出来ないけど
出来れば一緒に居たかった
でも僕は…
僕は風になって君を追い掛ける
僕は空になって君を見守る
「アイシテル」
「………」
「どうかな……?」
兄は黙ったまま、歩き出した
「お兄ちゃん…?」
もしかして…変だったのかな…
私は兄について行った
「……がと…」
「え?」
「ありがとう!お前みたいな妹を持てて嬉しいぞ!」
…?
なんだかわからないけど気に入ってくれたらしい…
「うん!」
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