道のり

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俺はその日結局体育館裏には行かなかった そんなことより早く莉帆に知らせたかった このチャンスを… 「莉帆っ!!」 俺は勢いよく玄関を開けリビングに居た莉帆に 「今日俺のクラスの宏稀が良かったら俺の父親のスクールに行ってみない?って誘われたんだ!!」 「え!?本当!!やった!これで夢に少し近づけたね!」 と二人ではしゃいでいた そこに母が 「駄目よ…」 と言った 「なんでだよ…」 俺が聞くと 「音楽なんて、くだらないわ…音楽家なんて夢、諦めなさい」 俺と莉帆は沈黙した まさか母さんがそんなこと言うなんて思わなかったから… 「お母さん…お願い、やらせてよ…お母さんだって音楽家目指してたんでしょ…?」俺達の母親は若い頃音楽家を目指していたらしい…詳しい事は知らねぇけどな… 「だから言っているの…あなた達の事を思って言っているのよ」 「良いじゃないか、やりたいって言ってるんならやらせれば…」 父親はあっさりOKしてくれた 母親はこんなことを言いはじめた…
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