七月二十八日①

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口にあふれたのは俺がいつも飲んでいるブラックの程よい苦み、ではなくむせそうなほど甘いコーヒーだった。 「うっ……………」 なんだこれこんな甘いコーヒーがあっていいのか!? あまりの甘さに俺が固まっていると、 「どうしたのゆぅ~まぁ~?」 俺の前に座ってる祐美がニヤニヤと俺を見ている。 くそっやっぱこいつか。 多分、さっきのことをまだ根に持っている祐美が俺のコーヒーに砂糖をたっぷり入れたのだろう。 俺が祐美を睨んでいると、 「そのコーヒーね、 さっき祐美ちゃんが入れたのよ本当仲がいいわね」 何も知らないおふくろは嬉しそうにそうつぶやく。 「誰がこんないっ「そうだよ。 私達仲良し兄弟だもん」 俺が否定しようとすると祐美がおもいっきり俺の足を踏み俺が何か言う前に笑顔で話す。 何が『仲良し』だよ。まだ俺の足をグリグリと踏み付けてるくせに。 また、俺が祐美を不満そうに睨むと逆に睨み返された。 「ふふふっ双子で仲良しなんて素敵♪」 おふくろは嬉しそうにリビングを出る。 多分洗濯物でも取りに行ったんだろう。 祐美はニコニコおふくろを見送る無論、俺の足を踏みながら、だ。 そう、さっき言いかけたが祐美は素であるSで鬼畜な横暴野郎の本性を俺以外のやつに隠している。 それが家族であろうとも、だ。 まぁそれにはいろいろと事情があったりするからさっきのように頭に血が上ったりしない限り俺も口外しないよう気をつけている。 おふくろぐらいには言っても大丈夫だと思うんだがな。 .
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