入部届。

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「よし、全員終わったところで、今日はもう解散だ」 無数の桜の花びらが風に舞う中、校門の前はたくさんの入学生で賑わっている。 そんな中を、僕はただ一人寂しく歩いていた。 別に友達が全くいない訳ではなく、いや実際いないけど、単にすることがない、ただそれだけ。 かといってこのままゴーバックホームってのはこれまた寂しいんじゃないかと思う。 とりあえず近くに人気のない桜の木を見つける。朝に見た桜ほどではないが、こちらも立派に花をつけている。 その下にぽつんと置いてあるベンチ(と呼んで良いのか若干の躊躇を覚えるほどの古びた長椅子)が見えた。 立派な桜の木にはとても似つかわない。 コレって今の僕にそっくりじゃないか、と一瞬だが共感を覚えてしまった自分に自嘲する。 そして開き直り気味にそのベンチ(と呼んで…あ、しつこい? 分かった、もう言わない)にどすんと座る。 木製のベンチは大きな音を出して軋んだ。
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