入部届。

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「……すげぇ…」 思わず感嘆の声を漏らす。 話自体は個性的なようで若干ありふれている要素があるが、驚いたのはその締めくくりである。 完結しているはずの文体なのだが、どこかに余韻を残す様な、物語はもっと深いものなんじゃないか、と考えさせられる様な… 例えば、「失し物の探し方」の、この 『大事な、大事な物を見つけたという事実が、また何かを失くしている それに私は気が付かない、ただの常習犯』 一度聞いたら忘れない、額縁に入れて飾りたいというか、座右の銘にしたいというか… 何と言えばいいんだろう。こういう咄嗟の時の表現力の貧困さを恨まずにはいられない。 え、この気持ち分からない? 分かれ。
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