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僕は右手に冊子を持ちながらこめかみに左の拳を当て、どう上手く言えばいいのか考えていた。
その時。
「あの、すいませ~ん。ちょっといいかなぁ?」
女性の呑気な声が聞こえた。
だが、どうせ自分を呼ぶ声ではないだろうと勝手に判断して、すぐに思考に戻る。
「お~い、そこの………名前分かんないけど文学少年。起きてくださいまし~」
…いや、それでも自分じゃないと判断。桜の樹の下で眠っている(ように見える)文学少年なんて、それこそ山のようにいるわけで…
いや、この場は僕しか居ないのか。
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