入部届。

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昇降口にて苦労の末、やっと自分の番号札の掛かった靴箱を発見。上履きに履き替えて、ヌーの大群のように新入生が群がる中で、大きく貼り出されたクラス表を見る。 もちろんというか、知っている名前は一つもない。 中学の頃4、5人くらいの親しいと言える友人は、全員バラバラになってしまった。 自分で言うのも難だが、僕はここ、葦森(あしもり)高校という、県内でもちょっと偏差値の高い高校を受けた。 10月に模試を受けた時は、合格圏と努力圏の間らへん。 ちょっと(あるいは結構)凹んで、それからは受験勉強まっしぐら。さすがにアレはキツかったね。 ちょっと休憩に部屋の隅に隠してあった成人向けの本に手を伸ばしたのは蛇足だ。
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