道化の話

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 僕は毎日 サーカスでみんなを笑わせるんだ。僕の仕事はワザと失敗する事。ワザと失敗した僕のマヌケさを見て、お客さんが笑ってくれると とても嬉しい気分になるんだ。  でもね、団長さんはとてつもなく厳しい人なんだ。僕が笑わせたお客さんを見ていつも 「くだらない仕事だ、ワザと失敗して客を笑わせることなど誰にでもできるが簡単すぎて誰もやらん。実にくだらない仕事だ。」って言うんだ。だけど、僕は道化だからね、にっこり笑ってこう言うんだ。 「本当に、僕って賢いの反対の反対の反対の人間すぎてうんざりする義務もないのにうんざりしてくれる人間がいるくらい残念な気がするしょうもない人間ですねー」 すると、団長はウンザリした顔で「お前の話を聞くと疲れる。あっちへ行け」っていうから僕は団長から離れるんだ。 するとサーカスの経理が売り上げが減ったことについて文句を言いに来る。「せっかく育てたのに役に立たないピエロだね、お金はあげるけど もっと頑張りなよ。売り上げが減ったのは君の責任だから給料が減っても文句は言えないよね?後は好きにしなっ!」ってね。 好きにしろって言われたけど、僕は振り付け師の指示どうりにしか動けない。だから振り付け師に会いに行ったんだ。そしたらね「忙しいんだ。自分の事は自分でしろ!お前は俺の指示通りにしてればいいんだ。だから言ったとおりに自分の事は自分でしろ」って言うんだ。わけがわからないから文句の一つでも言ってやろうとしたら殴られそうになってね。振り付け師から離れたよ。
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