使い魔さんと魔王様。

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「イオ~?イオ、どこに居るのか?イオ!」 のどかな丘の上に建つ魔王城の廊下で――と言っても、私の部屋の前の廊下で、魔王さんは私の名前を叫んでいた。 確か、今夜魔王さんは貴族のご令嬢様方(と言っても魔族)と、執務という名の、お見合いをしていたはずじゃ…? まぁ、あれはいつまで経っても結婚しようとしない魔王さんを見かねて、宰相さんが無理やり計画したものなのだが。 容姿は悪くない、むしろ美しすぎる程の魔王さんが結婚しないのは、魔王という立場上、問題がありすぎる。 「…私、明日は学校なんですけど‥」 私は本来使い魔なのだが、ここ数百年はとある理由で誰も召喚してくれない。 そのため、暇を持て余した私は、人間のふりをして人間の学校へ行ったりしている。 私は課題をしていた手を休めて、魔王さんが待ち構えているであろう、廊下へと向かった。 .
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