自宅

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(獄寺) 今日彼は何の前ぶりもなく、私を後ろから抱き締めてきた。 普段なら自分のしたいことを隠すのが、彼なのに… 今日は自分のしたいことを成し遂げようとする。 例えば、自分の足の間に私を腰がけさせようとか。 でも彼は今も鋭い眼光で私を捉えながら、顔を赤くしていた。 私はそれを肩越しに、見つめた。 「……甘えたいの?」 「ば!……ち…げぇ…」 「そう」 言葉を濁す彼の言葉に口元に浮かべ、巻き付いている腕をキュッと抱き締めた。 「私は素直な隼人に抱き締められたいな…?」 「……」 からかうように呟けば、観念したのか、肩に額を押し付けて熱い息を吐き出した。 そしてさっきよりも強く抱き締めてきた。 「…甘えたい……」 「うん」 顔を上げて、耳元に囁く。 そして、私は彼の胸元に体を預けた。 すっぽり、おさまった体を逃げないようにさらにギュッと抱き締める彼。 クスクスと笑い、彼の体温に包まれる。 「…お前を抱きたい…」 「…隼人になら、何されたっていいよ…」 「っ…」 我慢できないとばかりに、首に噛みついた彼に、ただ艶やか声を上げる。 今日は、彼の発情期。 目一杯、私を愛してね? (彼はずっと私を呼び続ける) (甘えん坊な、彼が私は好き) .
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