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二時間ほどのドライブを終えて実家に着くと妹たちがぐずりだした。
「家に入るのが嫌や。怖い。」
私はそんな妹たちを尻目に何食わぬ顔で玄関の扉を開く。
「ただいまぁ~」
私がリビングのある二階へとむかってもまだ妹たちはぐずっている。
階段を上がりきると母が出迎え、開口一番こう言い放った。
「うち、肺ガンやねん。」
なぜか照れ笑いを浮かべながら、母は確かにそう言った。
青天の霹靂とはこういうことをいうのだろう。
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