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『うぜーよお前、なんで学校来てんだ』
『ホント、視界に入るだけでキメェっつーの』
『ったく、使えねー奴』
三人の男に囲まれ、彼は体の到る部分を蹴られては、殴られていた。人が通りにくい、誰にも分からないような場所で。
顔を踏まれても、誰も助けにこない。いくら血を流そうが、暴行はおさまらない。
必死で、彼らの怒りが鎮まるのを、痛みと共に耐えるばかりなのだ。
『いい加減に死ねよ、お前が死んでも誰もなんとも思わねーよ』
蹴りが止んだかと思えば、リーダー格の男がタバコの火を首元に当てた。
ジュッと焼ける音。
痛い…熱い…苦しい…憎い…
「なんで…なんで俺が毎日毎日奴らのストレス解消道具にされなきゃいけないんだ…!」
不良達が消えたあと、彼は歯を食いしばって、何もなかったかのように立ち上がった。
悔し涙を流し、何かを決心して――
「そうだ……俺なんか……」
ふらふらな危なっかしい足取りで何処かへと歩き始めた。虚ろな目をしながら。
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