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「何言ってんの。そんなわけないでしょ」
毎日のようにお母さんの顔をみてるんだもん。私にはそれが嘘だってすぐに分かった。
ここまで暗い顔をしているということは……
あと一ヶ月ぐらいの命なのだろう。下手すれば……一週間もないかもしれない。
「……あ、柚木。飲み物でも買ってこようか?」
「うん」
そういって出ていったお母さんの背中が深刻さを語っていた。
今まで、私……死んじゃうんだって諦めていたけど、実際に感じると全然違う。
怖い……死ぬのが怖い。
やだよ……改めて思うとやり残したことだっていっぱいある。
それも全部……叶わないんだね。
「死ってなんなの!?永遠に覚めない眠りってどんな感じなの!?」
考えることすら出来ない。起きることもない。そんなの今生きている私に想像出来るわけがないじゃん。
「……嫌だ、死にたくないっ!!」
コンコン。
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