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「んあ…?」
「あ、えーっと……ほら!もしかしたら私だって何か力になれるかもしれないし……ねっ?」
「……ねっ☆なんて言われても、情報はもう正確に掴んだんだが……」
「そんなキモくは言ってない!」
「キモ!?」
……あっ、そうだよね。こいつはストーカーっていうくらいに、人の事みっちり調べあげるんだよね。
てか私、なんでこんなこと言ってんだろ。
……あぁ、恩返しか。そうだよ。私は彼に恩返しがしたいんだ。そう自分に言い聞かせ、私は無理矢理に納得していた。
「でもまぁ……」
えっ?
「ちょっとばかり、迷ってたんだよ」
恥ずかしそうに、頬をかく。えっ、ってことは?
「道案内してくれるやつが欲しかったんだよな~。時間勿体ねえし」
「なっ、なら私が…!」
彼はへへんと笑って……
「んじゃ、任せるよ!こいつのとこに案内してくり」
紙を一枚、私に渡した。
これが終わり。私の普通の生活の終わり。
そして始まり――私の新しい未来の始まりだった。
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