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「どう?調子は」
私が横たわっているベッド付近の椅子に静かに座って、そう尋ねる。
調子は?なんて聞かれたっていつも変わらない。
「最悪」
ちなみに気分も。身体は怠く、動かすのも大変。
それもそのはず、ろくに使ってないから衰えてゆくのは当たり前。病弱っていうより、衰弱していってる。
「そう……」
それっきり、お母さんは黙ってしまった。私が素っ気ない返事をしたからだろうか。でも……本当のことを言っただけだし。
お母さんが来ても、こんなお通夜みたいな気まずい空気が流れるだけ。
あーやだやだ。これなら居ない方が数倍まし。
最近の私はそう思うようになっていた。
小さい頃はお母さんが大好きで、毎日毎日お母さんとお話しするのが楽しみで来るのを待ち望んでいたはずなのに。
……なんで、こうなっちゃったんだろう。
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