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「なんで…」
言って欲しかった。
心臓が悪いって…
僕は、受けとめるのに。
「愛莉は、あなたを悲しませたくなかった。
何度も言ってたの…。
拓巳を悲しませてしまう、私は拓巳を幸せにできないのにって…。
拓巳さん、愛莉は1月に余命半年の宣告をされたの。
愛莉が、あなたに会いたいって祖母の街に越してきたんです…最期のお願いだからって。」
「愛…莉、…僕に言っ、たんです…
一つになりたい。って…
僕は、彼女のお願いを…
最初で最期の甘えを聞いてあげられなかった…っ」
「…もし、あの子を抱いていたら、愛莉は確実に発作を起こして、その場で亡くなっていた。
拓巳さん、あなたは自分を責めるんじゃないですか…?自分が殺したって。
あなたは、間違ってない。」
僕は、それで良かったのだろうか…。
「手紙は、家で読んでください。
日記は見ちゃいましたけど、手紙は、あなたのものですから。」
僕は、愛莉に焼香を上げた。
愛莉の両親は、どこか愛莉に似ていた。
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