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三咲は、窓の外を見ていた。窓の外には沢山の木々が生い茂り、見る人の心を和ませる。しかし毎日見ている三咲にとっては、なんの変化も面白みもない、つまらないものだった。それでも三咲は、変化を、刺激を求めて外を見る。
つまんないな。飽き飽きだよ。もう!いつまでこんな所にいればいいの!?
三咲がそんなことを考え、もう何度目かわからない感情の爆発を起こしそうになったとき、看護師が部屋に入ってきた。三咲は幼い頃から入院しているのだ。
三咲には告げられていないが、三咲の病気は、現在はまだ治療法が見つかっていない。ただ少しでも長く生きるために入院しているため、退院の可能性はほぼない。
「……どうしたんですか?」
いつもなら、看護師は決まった時間にしか訪ねて来ない。しかし今はその時間ではない。それ以外の時間に訪ねて来るときは、誰かが面会に来た時だけだ。しかし両親が面会に来る日はまだ先だ。三咲には、何故看護師が来たのか全くわからなかった。
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