1人目

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「面会ですよ」 やはり面会だった。しかし看護師が連れてきたのはタキシードを着た金髪の男で、三咲はこの男に見覚えがなかった。 「では、私は戻りますね」 「ああ、ありがとうございました」 看護師に向かって、男は上品に微笑んだ。 看護師が出ていくと、男は三咲のベッドに歩み寄った。 「こんにちは。狭川三咲さん。ご機嫌いかがですか?」 普通なら、見知らぬ男が近寄り、声をかけてきたら警戒するところだが、三咲は何故かこの男に何の危険も感じなかった。 「どちら様……ですか?」 「ああ、申し訳ありません。自己紹介がまだでしたね。私は、ストラ、と申します」 ストラは言い終わると、微笑みながら深々と頭を下げた。 「私に……何のようですか?」 「実は私は地獄の悪魔なのです。今回、あなたと契約をしに参りました」 ストラは常に微笑んでいた。三咲はストラの言った『悪魔』という言葉と『契約』という言葉が引っ掛かった。
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