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「悪魔?何を言ってるんですか?」
三咲は刺激を求めてはいたが、いきなり現れた男に自分は悪魔だと言われても信じることはできなかった。
「やはり、信じていただけませんか。ではこれをご覧ください」
そう言うとストラはそっと目をつぶり、眉間にシワを寄せた。すると、ストラの頭からは2本の角が、額には目が現れた。そんなものを見せられたら、ストラが悪魔であることを認めざるを得なかった。
「……本当に、悪魔なんですね。それで、契約ってなんなんですか?」
三咲は不安だった。悪魔との契約と聞いていいイメージを持つ人は少ないだろう。
「簡単なことです。私と契約してくだされば、願いをなんでも叶えて差し上げます」
それだけ聞けばいい話だが、そんないい話に裏がないわけがない。
「……そのかわりに私の魂をとろうっていうんですか?」
悪魔と契約すれば、魂をとられる。世間では一般的にそう言われている。三咲はストラに魂を差し出す気はなかった。しかしそんな三咲の思いとは裏腹に、ストラはその言葉を聞いて静かに笑った。
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