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寂れた街角。廃れたシャッター街の中にゴロツキたちが集まっていた。誰もが家を持たぬ無法者。各々が武器を携え、近づこうものに威圧感を与えている。故に近づくものはいなかった。
だが、一人だけ彼らに悠々と近付くものが居た。
緑髪のロン毛。優雅な美貌。つり目だが二重。顔立ちがはっきりとしている美人。――彼女の名前は如月 鈴花(きさらぎ りんか)。正義とかっこよさを紙一重だと思っている世にもはた迷惑な女の子だ。
「貴方たち、何時だと思っているの?!
もう9時よ!良い子は寝る時間!!」
鈴花はゴロツキたちを睨み付けながら、大声で叫ぶ。
「……あ゛?」
ゴロツキたちは不機嫌そうに鈴花を見た。
「何があ゛?よ!
そんな事したって全然ビビらないわよ?!
私はツヴァイザーEランク如月 鈴花なんだからねっ」
ビシィッとゴロツキたちに指をつきさしながら彼女はそう言った。
因みに【ツヴァイザー】というのは魔族討滅治安部隊の総称である。
ここ最近では、国の治安や秩序を守る為に警察のような深夜パトロールも任せられている。
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