逃げ出さなきゃ

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「remain」。 それが、腕時計を通してニンゲンに投与されている薬の名であり、諸悪の根源だ。 この薬が投与されることで、人間は一つの感情を失った。 「疑心」だ。 どんな王政も、独裁体制も、全ては「これで良いのか」という、民衆の疑う心によって、覆されてきた。 その他にも、価値観や概念、哲学に宗教、習慣や常識、その全てを疑うことによって、人間はより良い形へと、進歩を遂げてきた。 疑心から生まれる力は未知数であり、脅威だ。 だから、消された。 今、この世界を歩いているニンゲンに、疑いの心は無い。 全てこれで当たり前。 今が一番良い状態。 この幸せはずっと続き、無くなることはない。 そう信じて疑わない。 だから例え、その生きる日々が同じことの繰り返しであっても、何とも思わない。 変化を求めない。 けどそんなの、間違っているんだ。 だから.........
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