逃げ出さなきゃ

14/16
前へ
/63ページ
次へ
それは本当に偶然だった。 俺の腕時計が不具合を起こし、「remain」の投与が止まったのだ。 「オレ」は「俺」を取り戻した。 そして、この世界がおかしいことに、俺だけが気付いた。 それから、この凶行に走るまで、長くはかからなかった。 今、この地上で、俺だけが生きている。 息があがってきた。 ナイフを握る手は、汗でびっしょりだ。 手だけじゃない。 体中汗だくだ。 全身が熱くなってきた。 生きている。 俺は、 今、 生きている!!
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加