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罪は、誰にもございませぬ。
ただ一つ、あるとするならば、それはこの私の心臓なのです。
この心臓の放つ、どす黒い血に、私の白くて病弱であった体はあてられて了ったのです。
きっと、私のこの身の皮一枚切り裂けば、とても人のものとは思われない、黒い黒い血が、たらたらと、流れ出るのでございます。
それは、とてもじゃありませんが、他人にも、私の親にも見せられませぬ。
自分の息子が、とても人では無いなどと、どうして知らせることができましょう。
私が、もう死ぬとなったその時には、誰にも見つからぬ所で、一人、この罪深い血にまみれて死ぬか、決して血を流さぬ方法で死ぬしか無いのです。
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