黒い心臓

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深い森の中、私は、一人で、手首を切ったことを後悔いたしました。 赤いのです。 とても、真っ赤に、血が赤いのです。 これでは、その辺りの一般の人と、何も変わりが無いのです。 そんなはずは無いと、私は右手のナイフを、今度はこれらの罪の根源に、黒い心臓に突き刺しました。 周りが赤く染まるのと同時に、私の心を深く絶望が、包み込みました。 しかしその絶望も、薄れゆく意識と共に、消えてゆくのでした。
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