214人が本棚に入れています
本棚に追加
すると妹は、
きゅっ、と俺の手を握り。
「大丈夫…私がいれば、何とかなるよ。絶対」
柔らかい笑みを浮かべながら、そう言い切った。
何の確証も無いのに、と思ったが頭を振りそんな考えを打ち消す。
確かに、こいつといれば何とでもなるな。絶対に。
俺はそう思い、
「そうだな」
と笑いかける。
それが嬉しかったのか、いつも以上に嬉しそうに顔を綻ばす。
「そうそう、笑ってる方が可愛いぞ」
俺も嬉しくなり、少し恥ずかしい台詞を言いながら、妹の頭をわしゃわしゃと撫でる。
「えへへ、ありがとっ、おにぃちゃん❤」
さらに笑う妹。少し前では考えられなかった事だ。
「…ねぇ、おにぃちゃん」
「ん? どうした?」
俺はそう返しながら、妹に違和感を感じた。
何だか妹の顔が赤い。そして…妙に服が…薄着だ。
「…家族が減るなんて…やっぱり寂しいね」
「……ああ」
さっきまで妹はニコニコ笑っていたが…やはり両親が出てったのはこたえるのだろう。
しょんぼりとしておれの腕に抱きつく。
そんな妹の頭を撫でてやりながら、俺は妹に話しかける。
「まあ、何だ…ちゃんといてやるから。俺だけはお前の隣にいてやるから。だから安心しろ」
恥ずかしい、しかし、いや、だからこそ素直な言葉を呟く。
「おにぃちゃん…!」
妹は目を見開き、感極まったのか俺の胸に飛び込んできた。
やっぱり可愛いな。と思いながら優しく抱きしめる。
「…家族が減って…、寂しいよね…?」
妹はまるで確認する様にそう呟いた。
「ん? ああ…」
俺は少し戸惑いながら答える。
すると。
「…じゃあ…、家族、増やそう。…私とおにぃちゃんの」
「…え?」
よく意図が理解出来ず、俺は聞き返した。
「…家族、欲しいな…新しい家族…、おにぃちゃんと私の…子供」
「…っな…!?」
俺は妹が何を言わんとしているか察し、腕の中の妹を見る。
妹は恥ずかしそうに、息を僅かに、はぁ…、はぁ…、とあらげながら。上目遣いで俺の顔を見つめている。
最初のコメントを投稿しよう!