暗い道

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「どこ行くの?」 そんな声がして、僕は凄く安心した。 だって…声の主が、クラスメイトの男子ではなく… 上目使いで僕を見上げる、三井さんだったから… 「屋上でご飯食べようと思って………」 「あたしも!」 「へぁ?」 キラキラした目をしてそう言った三井さんに、思わず気の抜けた声を出してしまった。 「あたしも屋上で食べたい!!…ってか、室町君と食べたい!」 赤面しながら考えている僕に関係なく、三井さんは教室に戻り…お弁当を抱えて僕の元に走ってきた。 「いこ!」 半ば強引に手を引かれ、屋上に繋がる階段を2人で上がる。 僕は、三井さんのたくましい背中を見つめ… 今後の事が不安になっていた。
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