暗い道

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ギィッ━━━━━━━━━━━ 屋上の鉄の扉を開けると、太陽の光が暗い階段に注がれ、三井さんを照らした。 髪が次第に明るい茶色になり、風が吹いた瞬間シャンプーのいい匂いがした。 光に照らされた横顔は凄く綺麗だ……… 「わぁ……… 屋上なんて初めて」 そう言った三井さんの笑顔… 凄く可愛くて、胸の奥の方がムズムズした。 「室町君はよく屋上に来るの?」 「あー…、晴れている日は毎日来るかな………」 「そっか 今日は晴れてるもんね。 ………風が気持ちいい!」 両手を広げ、三井さんは太陽の光を全身で浴びる。 どうしてだろう━━━━━ どうして、三井さんは僕なんかを好きになったんだ? 僕は何も持っていない… 顔も良くないし 頭も悪い 何より暗い 僕よりもいい人はたくさんいるのに……… なぜ、三井さんは僕を選んだのだろうか………?
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