57人が本棚に入れています
本棚に追加
ギィッ━━━━━━━━━━━
屋上の鉄の扉を開けると、太陽の光が暗い階段に注がれ、三井さんを照らした。
髪が次第に明るい茶色になり、風が吹いた瞬間シャンプーのいい匂いがした。
光に照らされた横顔は凄く綺麗だ………
「わぁ………
屋上なんて初めて」
そう言った三井さんの笑顔…
凄く可愛くて、胸の奥の方がムズムズした。
「室町君はよく屋上に来るの?」
「あー…、晴れている日は毎日来るかな………」
「そっか
今日は晴れてるもんね。
………風が気持ちいい!」
両手を広げ、三井さんは太陽の光を全身で浴びる。
どうしてだろう━━━━━
どうして、三井さんは僕なんかを好きになったんだ?
僕は何も持っていない…
顔も良くないし
頭も悪い
何より暗い
僕よりもいい人はたくさんいるのに………
なぜ、三井さんは僕を選んだのだろうか………?
最初のコメントを投稿しよう!