暗い道

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その瞬間、現実の世界に戻された。 僕は、保健室のベッドの上… やっぱりあれは夢だった…。 ──────────しかし 夢であって欲しい現実が、僕の目の前にあった。 「やっとお目覚めですか?」 「うわ!コイツヨダレ垂らしてるぜ…ハハハ!マジキモ…」 「……………」 松岡君と寺田君が不気味な笑みを浮かべて、ベッドの手すりに腰を掛けていた…。 「室町ー………今日三井菜々と屋上いたよなぁ?」 僕はゾッとした。 手や足が、ガタガタ震えている。 声が… 声が全く出なかった。 と言うか、出せなかった。 僕が「三井さんと一緒にいた」なんて言ったら、きっと二人に何かされる。 そう思った。
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