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「室町君って今彼女いるのかな?」
どういう流れで、こんな話になったのか分からないが、真剣な顔で彼女は僕に質問をした。
「え!?……か…彼女なんて…いるわけ……なぃょ」
僕は必死に答えた。
そう…彼女なんて…いるわけない。
ボサボサの髪に、黒渕眼鏡…
これで成績優秀だったら、少しは救いがあるが…勉強もまるで駄目。
救いがあるとしたら178cmの身長くらい?
まぁ、この時の僕は『ウドの大木』と言う言葉すら知らなかったんだけど……
「好きな人もいないの?」
「いないよ」
「気になる人は?」
「いない…」
「そっか……」
彼女は僕に次々と質問し、少しうつ向いた。
僕の返事の少なさに、呆れてしまったのだろうか…
その姿は落ち込んでいる様にも見えた。
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