門出

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斉藤 勇 夕方日の沈みかけた中、二人の少年が小学校のグラウンドに来ていた。 一人は背が高めでやせ形。 そしてそれとは対照的な、 自分で言うのもなんだけど、もう一人の背の低めでふくよかな体型の少年。 それがボク、斉藤 勇だ。 ボクらはまだ今一着なれない中学校の制服を着て、また卒業式の終わった母校へと来ていた。 「にしても、俺達本当に卒業したんだよな?」 隣から友達、ユウが話し掛けてくる。 「あぁ、 まだ今一実感がねぇけどさ。」 ボクはそう答えた。 今日ボクらは小学校を卒業した。 六年間お世話になった小学校。 本当に全く実感がわかねぇや。 それにあと二週間で中学生だなんて…… 小学校って終わってみると案外あっという間だったな。 「ふぅ……じゃあ俺はもう帰るな。 中学で同じクラスなったらよろしくな。」 ユウはオレにそう言った。 「バーカ。別に多分明日も明後日も会うだろ?」 「まぁそう気にすんなって。じゃあな。」 「あぁじゃあな。」 そう言うとユウは行ってしまった。
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