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俺は走りながら自分の右の手の甲を見る。
そこにあったのは他の所の肌より少し黒目の二つの二等辺三角形と、
それをひとまわり小さくして逆にした物。
牙の形をあしらった印だった。
そしてこれが"爪牙族(ソウガゾク)"としての証だ。
俺はまた前を向き角をまがる。
すると見えてきたのは俺の中学校への通学路ルートにもなっている大学の前の広場。
俺はそこで足を止める。
そこにいたのは、
俺と同じ学校で同じ学年の奴ら数名と………真っ白い馬。
白馬とそいつらは互いに向き合い、
今にも闘いが始まりそうな雰囲気を醸し出していた。
先に言っとくが白馬っつってもそれもただの白馬では無くて、
一般人が見たら本当にこの世の者なのかと疑うような額に一本の角を生やして全体的に少し電気を纏ったユニコーンだ。
「いたいた………」
それこそが俺がここまで走ってきた目的であり、
俺らが幻魔(ゲンマ)と呼んでいる存在だった。
……さてと、
そろそろ意味がわからないだろうから説明しようか。
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