門出

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佐藤 俊 神奈川県横浜市赤原区。 午前8時30分。 オレ達は六年間世話になった学校の教室で式が始まるのを待っていた。 「本当何部はいろっかな〓?」 「私立行っても頑張ってね。」 「中学同じクラスになったら宜しくな!」 中学のブレザーを着た皆の声が教室の至る所から聞こえてくる。 ………とても闘いの後とは思え無いよな。 オレは窓辺まで行き外を眺める。 そこにはこれまた闘いの後とは思えないいつも通りの風景。 さすがは政令指定都市横浜市と言った所だな。 「どうした佐藤?」 オレの隣に来た白石がきいてくる。 「別に? 何でも無いよ。 ただ外見たかっただけ。」 この教室からこの景色を見る事なんてもうしばらく無いだろうからな。 「……本当に、 本当にオレ達が守ったんだよな?」 白石が同じように外を見ながら言う。 「あぁ。 そしてこれからもオレ達で守ってくんだ。」 オレがそう答えた直後、 教室には鐘の音が鳴り響く。
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