第四章<[視界斑点]零崎斑織と[紅染沈黒]零崎染識。或いは>

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>「…オレンジの空は今にも崩れそうだ…終わりが始まって そして未来が生まれて…」 >東京の夜に、澄んだ歌声が降る >「ここに告げるように夜が 今すぐにでも夜が…」 >そこまで歌った時、強い風が少女に吹き付けた >「ふみゃっ…」 >余程歌に集中していたのだろう、少女は慌てて後向きに体を倒し、ころんと…否、どてっとベランダに落ちた >「うみゃ~…」 >引かれていたマットレスの上で呻く >「いい加減この高さで欄に座るのは止めろ。前に落ちたら洒落にならんぞ」 >「好きにさせてよ~…高い所が好きなんだよ」 >「ここは地上52階だ」 >部屋の中から、中国マフィアを思わせる大柄な男が出て来た >「染識、珈琲飲みたい」 >「まったくもって無視か」 >「珈琲が飲みたいの~後甘いものが欲しいの~」 >染識と呼ばれた男は、額に掌を当て溜息をつくと、待ってろ、と言って再び部屋に戻った >少女はにこやかに笑って大きな背中にありがとうと声をかけた > >暫くして染識がベランダに戻ると、当たり前の様に欄に座っている少女が居た >「……」 >もう何も言うまいと心に決め、声をかけた >「斑織、持って来たぞ」 >「ん、ありがと」 >隣に立って珈琲カップを渡すと、斑織と呼ばれた少女ははにかむ様に微笑んだ > >暫く黙ったまま珈琲を啜っていた >「あ、そう言えばね。さっき流れ星が落ちたよ」 >「何か願ったのか?」 >「ううん、流れ星見えたとたんちょっと別の映像が…」 >「何が見えたんだ?」 >染識は間髪入れず問い返した >斑織には過去と未来を僅かだが視る事が出来るのだ >まぁ、過去はともかく未来は容易く変わってしまうので、必ずしもその通りになるとは限らないのだが >「未来と過去が一緒に見えたの。何処かで誰かが零崎を始めた映像と…」 >斑織はそこで口をつぐんだ >染識は何も言わずに斑織を見つめた >その瞳に何かを決意したらしい >斑織は震える唇を開いた > > >「私が、死ぬ映像」 > > >[視界斑点]<レッドオアブラック> >零崎斑織ゼロザキマダラオリ >[紅染沈黒]<オールレッド> >零崎染識ゼロザキソメシキ > >それが今現在の彼女らの名前だった > > > >―さぁ、落ちた流れ星が告げる未来を、見に行こう? > > 第四章<[斑織物師]零崎斑織と[紅染色師]零崎染識。或いは流れ星の未来>了
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