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>薄暗い裏道を、独りの男が歩いている
>「こんばんわ、お久しぶりですね。曲識さん」
>「あぁ、随分と久しぶりだな、式見」
>曲識は振り向いて言った
>式見と呼ばれた少女はにっこりと笑って
>「斑織じゃなくて式見として会うのは本当に久しぶりですね、お変わりありませんでしたか?」
>「あぁ、悪くない日々を過ごしているよ」
>曲識は微かに笑って答えた
「式見はどうなんだ?」
>「楽しいですよ?染識と一緒だと退屈する事がないですから」
>その答えに曲識は何処かしら満足気に頷いた
>「あ、そう言えば零人を知りませんか?最近姿を見ないんですけど…」
>「僕も知らないな」
>それを聞いた式見は微かに淋しげな顔をした
>「そうですか…」
>零人とは零崎人識のことだ
>式見は人識のことを零人と呼び斑織は人識の事を人識と呼ぶ
>友達と家族
>その違い故だった
>「所で、そろそろ零崎を始めたくありませんか?」
>にこりと笑う式見
>曲識はその笑みに微かに目を見開く
「お仕事なんです。斑織じゃ
・・・・・ ・
駄目だから[今]は式見なんです」
>クスクスと笑いながら[式見]は告げる
> ・・
「暗殺は[斑織]には出来ませんからね」
>「鬼と呼ばれるのは同じだろう?」
>「いいえ。殺人鬼と人殺者は似て非なるものですから」
>それに、と式見
>「私は紅の鬼ですけど斑織は赤黒斑の殺人鬼ですからね」
>「……二重人格と言うのは厄介だな。私は君とは解り合えそうにない」
>「構いませんよ?今私は只の人殺しですからね」
>「…協力しよう。実はさっき君に会ってから酷く落ち着かなくてね」
>
>
>式見は、その言葉ににやりと口元を歪めた
>「ありがとうございます。[少女趣味]<ボルトキープ>零崎曲識さん」
>
>
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>[紅蓮鬼]<グレンキ>
>八枷式見ヤツカセシキミ
>[少女趣味]<ボルトキープ>
>零崎曲識ゼロザキマガシキ
>
>
>それが今現在の彼らの名前だった
>
>
>
>肯定の鬼が紅色を纏いて嗤うトキ
>闇の扉が静かに開く…
>
>
>
>――さぁ、無垢なる体を引き裂こう……?
>
>
>
>
>第五章<[少女趣味]零崎曲識と零崎開始>終了
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