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「暗殺じゃなかったのか」
「暗殺ですよ??」
彼女に心酔しているらしい武器職人に作らせたと言う
一見何の変哲もないスーツを深紅に染め上げた式見が笑って答えた
「暗殺した後、猟奇殺人に見せかけろって言われてるもので」
張りついたドレスシャツがカラダの線を浮き彫りにする
「まぁ、一種の警告ですよ」
浮かべた笑みが僅かに狂気を帯びて、
「…殺さないでくださいよ?私のこと」
それに引き寄せられて伸ばした手は彼女の首を掴んでいた
「君が何を考えているか僕には少しも解らない」
その言葉に
返されたのは酷く優しい微笑み
「人形は」
「ただ演じ手の意図するままに動くだけ」
「音楽家は」
「自身にとっての最高の境地を表現し続けるだけ」
「だから」
「だから?」
「解り合う必要などない」
――紅のカラダに斑の心
その本質は…誰?
第八章<惨殺歌>了
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