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カランカラン…
>
>「あら?今日は早いのね」
>「よう、密祈のねーちゃん。渦巻きパフェ一つ頼むわ」
>「ふふ…相変わらずの甘党ね、人識くんは」
>
>都会の中にありながらも、その喧騒からは掛け離れた静謐を湛える<Cafe゜s Darkish>
>カフェなのにパフェなどのデザート系が充実している所がこの店の売り
>先程密祈ねーちゃんと呼ばれていたのは簀戸密祈<スドミツキ>
>年齢不詳、何時も白のワンピースに黒のカーディガンを着ている、闇色の瞳と髪を持つ穏やかな女性である
>
>「はい、出来たわよ」
>「お、ポッキーとアイス、サービスしてくれたんだ。サンキュー密祈ねーちゃん」
>「人識くんはお得意様だからね。特別サービス」
>ふふふ、と上品そうに笑うと、腰まで伸ばされた黒髪がさらさらと音をたてた
>
>暫くの間パフェを食べることに専念していた人識だったが、半分程に減った所で再び密祈に話し掛けた
>「あ、そう言やぁ祈啼漓のにーちゃん元気?」
>「元気みたいよ?最近顔見てないけど、メールが来るの。ねーちゃーん、俺生きてるよ~って」
>来る度に笑っちゃうの、と密祈
>その穏やかな笑みに思わず人識の口元も緩む
>「祈啼漓のにーちゃんらしいぜ」
>「ほんとね」
>
>そのまま、他愛のない会話を暫し続けていた
>
>と、
>カランカラン…
>「あら……久しぶりね」
>沈んだ声に、人識は思わず振り返っていた
>「あ…」
>
>逆光の中立っていたのは
>
>
><Cafe゜s Darkish>店主
>簀戸密祈スドミツキ
>[人間失格]<ニンゲンシッカク>
>零崎人識ゼロザキヒトシキ
>
>それが今現在の彼らの名前だった
>
>
>
>殺人鬼<零崎一賊>の鬼子と一人の女性
>その日常と非日常が重なる時、新たなる零崎の幕があがる
>
>
>
>
>―さぁ、零崎は、もう始まってしまったよ…?
>
>
> 三章<[人間失格]零崎人識と渦巻きパフェ>了
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