第三章<[人間失格]零崎人識と渦巻きパフェ>

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カランカラン… > >「あら?今日は早いのね」 >「よう、密祈のねーちゃん。渦巻きパフェ一つ頼むわ」 >「ふふ…相変わらずの甘党ね、人識くんは」 > >都会の中にありながらも、その喧騒からは掛け離れた静謐を湛える<Cafe゜s Darkish> >カフェなのにパフェなどのデザート系が充実している所がこの店の売り >先程密祈ねーちゃんと呼ばれていたのは簀戸密祈<スドミツキ> >年齢不詳、何時も白のワンピースに黒のカーディガンを着ている、闇色の瞳と髪を持つ穏やかな女性である > >「はい、出来たわよ」 >「お、ポッキーとアイス、サービスしてくれたんだ。サンキュー密祈ねーちゃん」 >「人識くんはお得意様だからね。特別サービス」 >ふふふ、と上品そうに笑うと、腰まで伸ばされた黒髪がさらさらと音をたてた > >暫くの間パフェを食べることに専念していた人識だったが、半分程に減った所で再び密祈に話し掛けた >「あ、そう言やぁ祈啼漓のにーちゃん元気?」 >「元気みたいよ?最近顔見てないけど、メールが来るの。ねーちゃーん、俺生きてるよ~って」 >来る度に笑っちゃうの、と密祈 >その穏やかな笑みに思わず人識の口元も緩む >「祈啼漓のにーちゃんらしいぜ」 >「ほんとね」 > >そのまま、他愛のない会話を暫し続けていた > >と、 >カランカラン… >「あら……久しぶりね」 >沈んだ声に、人識は思わず振り返っていた >「あ…」 > >逆光の中立っていたのは > > ><Cafe゜s Darkish>店主 >簀戸密祈スドミツキ >[人間失格]<ニンゲンシッカク> >零崎人識ゼロザキヒトシキ > >それが今現在の彼らの名前だった > > > >殺人鬼<零崎一賊>の鬼子と一人の女性 >その日常と非日常が重なる時、新たなる零崎の幕があがる > > > > >―さぁ、零崎は、もう始まってしまったよ…? > > > 三章<[人間失格]零崎人識と渦巻きパフェ>了
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