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俺がこの家に来た時は凄かったんだ。 家中には使用人がズラッといたし、気を使われまくってたし。 偉くもないのに敬語を使われてさ… 凄く居心地が悪かった。 だから聖が来た時に初めて命令をした。 弟には同じ思いをしてほしくないって思ったから。 でもさすがに一人じゃ無理だから、一人だけ使用人をこの家に置いた。 だから聖と和也は、今のこの状態が普通だと思ってる。 本当の事は言わない。 教える必要もないしな。 「聖様、学校の方は…」 「行く。定期とか用意しねぇと…」 「和也様は?」 「行くよ。今日はテストだし」 「かしこまりました。雄一様は…」 「俺は休む。だから昼ご飯よろしくな」 「かしこまりました」 2人、学校に行くのか… 「聖、和也。約束、忘れんなよ?」 「大丈夫。ちゃんと守るから」 「光夜の名前は出さねぇよ」 2人は、学校で林と名乗っている。 林聖 林和也 光夜とは名乗らせない。 俺が光夜を名乗って入学をした時、弟には名乗らせないって決めたんだ。 あんな扱い… させたくない。 名前を聞くだけでみんな遠ざかっていくし… おかげで友達を1人も出来なかった。
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