一緒に行けたら良いのに

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「…てーるい、いい加減さ、 起きてくれよ…………」 俺は照井の顎を持ち上げ、 こちらを見させる。 反応はない。 「もうたっぷり寝ただろ? いい加減しようぜ?」 うっすら開いた唇からは 何も発せられない。 微かに息をしているだけ。 「ちーとやり過ぎたかぁ… んでもまぁ、照井が悪いんだし…仕方ないよなぁ」 拘束されだらんと垂れた腕、 金属バットで殴ったから、 血が滴り落ちる額、 床などに打ち付けて青黒く腫れ上がった頬、 擦り傷だらけの脚。 照井の変わり果てた姿。 ………愛しい。 照井のすべてが愛しい。 「…渡さないぜ、誰にも… お前は俺のものなんだ…」 そもそも何故こうなったのか… 時は一週間前に戻る-。 一週間前-。 「~♪」 その日は珍しく、 終始照井が笑顔だった。 おまけに鼻唄までついてる。 「飲め、左ぃ」 「んだよ、ご機嫌じゃねーか。 いい事でもあったのかよ?」 「フン、知りたいか?」 「知りたい知りたい」 照井は懐から警察手帳に挟んだフィリップの写真をみせびらかした。 「フィリップが好きだ、と言ってきてな。 付き合う事にしたんだ」 「………え?」
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