一緒に行けたら良いのに

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拘束されだらんと垂れた腕、 金属バットで殴ったから、 血が滴り落ちる額、 床などに打ち付けて青黒く腫れ上がった頬、 擦り傷だらけの脚。 照井の変わり果てた姿。 ………愛しい。 照井のすべてが愛しい。 「…渡さないぜ、誰にも… お前は俺のものなんだ…」 狂った妄執の先にあるのは、 破滅の一途だけだ。 「照井…もう死んじゃった?」 いつの間にか目を閉じ、 呼吸を止めた照井。 体も冷たくなっている。 「…じゃ、俺も逝くか」 カッターを首に当て、 一気に切り裂く。 ヒュー…ヒュー…と 穴の開いた気管に空気が通る音がしたが、 もう、どうでもいい… 今行くぜ、照井
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