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怜也side
「偶然会っただけだよ。俺は何もしてない。」
父さんの言葉は信じられなかった。
「話があるので、ちょっと良いですか?…愛智、もうちょっと我慢できるか?」
俺は顔色の悪い愛智に優しく聞いた。微笑んで愛智は頷いた。
俺は立ち上がろうとした愛智を抱き上げて、近くのカフェに入った。いつもは嫌がる愛智だが、嫌がる元気もないみたいだ。
父さんも後ろからついてきた。
「本当に愛智に何もしなかったんですか?」
俺の問いに父さんは頷いた。
「パパの言ってることは…本当だよ…コホッコホッ…。」
愛智の頬はほんのり赤い。額に触れると熱かった。
「熱があるじゃないか。何でもっと早くに言わないんだよ。」
俺の問いに愛智は平気だといった。
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