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「きつくなったら、ちゃんと言えよ?」
愛智は頷いて、ゆっくり息を吸った。少し呼吸が苦しいみたいだ。
俺は背中を擦りながら、父さんのほうを向いた。
「愛智を見かけたときに何で声をかけたんですか?」
俺の問いに父さんは言った。
「俺の息子なんだから良いだろ。それにしても愛智の病気はまだ治ってないのか?」
その言葉にむかついた。
「そんな簡単に治るものじゃないんだ!!」
俺の声に愛智はびくっとなった。大きな声を出し過ぎたと後悔した。
「ごめん…大丈夫だから。」
愛智の顔色はさっきよりも悪くなっていた。俺の肩にもたれて、目を瞑っている。
息はかなり荒い。
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